トノネコブログTONONECO BLOG.

2018年11月13日

マルセル・デュシャン展


「20世紀最大の謎といわれる芸術家は誰だ!?」
大学時代、ゼミの教授からの突然の質問に、答えに窮した20歳のわたし。にがい思い出です。
その教授の求めた答えが「マルセル・デュシャン」でした。

その時恥ずかしながらデュシャンという作家をほとんど知らなかった私は、その直後かなり文献など集め彼の作品を調べましたが、まったく、難解、意味不明。近代美術を語るにおいて欠かせない、なんだかすごそうな人・・・というのはわかりましたが、まさに「20世紀最大の謎」という印象のままでした。

2018年秋から上野でデュシャンの没後50年の回顧展が行われているということで、大学時代のリベンジと思い、出掛けてみることに。

彼の作品で有名な「泉」(既成品の「便器」にサインをしただけのものを美術展に出展しセンセーショナルを巻き起こした)、
巨大なガラスが不思議に魅力的な(しかもオリジナルはとっくの昔に破損している)通称「大ガラス」。東京版の制作は瀧口修造!

実際に作品を観てみれば、デュシャンの頭の中がすこしはわかるかも…。
なんて期待は、まったくそのとおりにならないのでした^^;

彼の画家として歩みだした作家人生を、年譜ごとに追う展示内容だったのですが、やっぱり難解なものは難解のまま、不思議で謎だらけな、つかみどころのない作家でした。
初めてみたデュシャンの初期の絵画作品がかなり良かったので感動していたら、すぐにキュビズム風の作風になり(これもかっこいい)、さらに物理や光学にも視野を広げたスタイルに「・・・嗚呼、むつかしい。。。」となってしまいました。
絵もめっちゃうまいし、デザインのセンスもすごい。という事実に直面し突きつけられた美術鑑賞になりました。

ただひとつわかったのは、彼は作品を観ることで感じる感覚的なものよりも、その奥の思考、ビジュアル以外の、テキストであるとかいくつかのヒントも照らし合わせて芸術を読み解こうとするアクションを要求し、芸術作品の在り方の提起をしているのかもしれないということでした。

ふんわりと、以前よりは歩み寄れたかもしれないけれど、まだまだだなあって思いました。
さて、この次のわたしの「デュシャン・チャレンジ」いつ頃になるでしょうか?
アラフィフくらいかな??その頃には今よりももう少しはわかるのだろうか^^;?

そんな、観る側の困惑をデュシャンは鼻で笑って「謎なら謎のままでいい」と、ただ「彼の芸術」をわたしたちに問題提起し続けるのでしょう。
まだ、彼のセンセーショナルな挑戦から1世紀ほどです。

「マルセル・デュシャンと日本美術」上野・東京博物館